海外から輸入したアンティーク販売に古物商許可は不要って本当?【輸入ビジネスの境界線を解説】

海外のフリーマーケットやアンティークフェアで買い付けた魅力的な商品を日本国内で販売する輸入ビジネスは、夢のある事業です。
この輸入販売を行う上でよく聞かれるのが、「海外で仕入れた中古品なら古物商許可は不要」という話です。
結論から申し上げると、これは一部例外的に正しいものの、非常に誤解されやすく、輸入販売業者であっても許可が必要となるケースが多々あります。
本記事では、海外からの輸入販売において古物商許可が「不要」になる唯一の例外と、多くの輸入業者が陥りやすい「必要」となるケースについて、行政書士が詳しく解説します。


1. 古物商許可が「不要」となる唯一の例外

古物商許可が必要となる行為は、「古物を業として売買または交換するために国内で買い取ること」が主な規制対象です。

許可が不要となる場合:国内での「買い取り」に該当しない

古物営業法は、国内で発生する盗品の流通防止を主な目的としています。
そのため、事業者が「売る目的で、海外で買い付けた古物」を輸入し、国内で販売する行為は、「国内での盗品に関する問題」が発生しにくいため、その後の国内販売のために改めて古物商許可は不要という解釈が一般的です。
この例外規定に該当するのは、以下の条件をすべて満たす場合です。

  1. 国外の業者または個人から買い付けを行うこと。
  2. その古物を日本へ輸入すること。
  3. 輸入した古物を、国内で販売すること。

つまり、「海外からの仕入れのみで事業が完結している」場合に限り、許可が不要となります。

2. 輸入販売業でも古物商許可が「必要」になるケース

輸入販売業者が、以下のような行為を行った場合、古物商許可が必要となり、無許可営業のリスクを負うことになります。

ケース①:国内のリサイクルショップや個人から買い取る

海外からの輸入販売がメインであっても、事業の一環として日本国内の一般の個人やリサイクルショップから中古品を「買い取って仕入れる」行為を一度でも行った場合、古物商許可は必要になります。

  • 「海外の品物が足りないから、国内のフリマサイトで中古品を買い足した」
  • 「在庫処分のため、別の古物商から買い取りを行った」

この国内での「買い取り行為」が、古物営業法の規制対象に該当します。

ケース②:国内で他者から委託を受けて販売する

古物商許可が必要な行為には、「売買」の他に「交換」や「委託を受けて売買または交換する」行為も含まれます。

  • 日本国内の個人から「このアンティーク品をあなたのネットショップで売ってほしい」と委託を受け、手数料を取って販売する場合。

これも古物営業に該当するため、許可が必要になります。

ケース③:海外に輸出した古物を買い戻す場合

自社が海外に輸出した古物であっても、それが国内に戻ってきた際に、それを国内で買い戻して再び販売する場合は、その買い戻し行為が古物取引に該当する可能性があります。


3. 輸入ビジネスだからこそプロのチェックが必要

「海外からの輸入販売は許可不要」という情報は一見魅力的ですが、上記のように、ビジネスの性質上、少しでも国内の仕入れに触れるリスクが高いため、多くの輸入販売業者様が許可を取得しています。
許可なく古物営業を行った場合、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という重い罰則が科せられます。

行政書士による安全なビジネス設計

輸入ビジネスの場合、古物営業法だけでなく、関税法や輸入規制なども複雑に絡みます。当事務所では、お客様の輸入・販売スキームを詳しくヒアリングし、法的に安全な形で事業を進めるためのサポートを提供します。

  • 仕入れルートの合法性チェック
  • 古物商許可が必要な場合の迅速な申請代行
  • 万が一、警察から問い合わせがあった場合の適切な対応指導

曖昧な情報に頼らず、輸入ビジネスを安心して継続するためにも、プロに相談することが成功への第一歩です。
海外仕入れの古物商許可の要否について、専門的な判断をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。

「古物商のページを見た」とお伝えください。ご相談は無料です。070-8490-7268受付時間 8:00-20:00 [ 土日祝日も対応 ]

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
古物商許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
迅速・丁寧・確実な許認可サポート