品目変更(取扱品目の追加)の手続き方法と手数料

古物商許可を取得してビジネスが軌道に乗ってくると、「今までは古着メインだったが、ブランドバッグや時計も扱いたい」「家電だけでなく、家具も仕入れたい」と、取り扱う商品の幅を広げたくなるものです。
この時、「新しい品目を扱うために、許可を取り直す必要があるの?」と疑問に思うかもしれません。
結論として、許可を取り直す必要はありません。「変更届出」を行うだけで、取扱品目を追加できます。
ただし、この手続きには「手数料がかかるケース」と「無料のケース」があり、また特定の品目を追加する際には厳しい審査が待ち受けている場合があります。
本記事では、古物商の取扱品目を追加・変更する際の手続き方法と注意点について、行政書士が詳しく解説します。


1. 「品目の追加」には2種類ある!手数料の違い

取扱品目を変更・追加する場合、あなたが「何をメイン(主力商品)にするか」によって、手続きの種類と手数料が異なります。

パターン①:メインの品目は変えず、扱う種類を増やす(変更届出)

  • 内容: 許可証に記載されている「主として取り扱う古物の区分」はそのままで、その他の取り扱い品目を追加する場合。
    • 例:今は「衣類」がメインだが、サブで「時計・宝飾品」も扱えるように登録したい。
  • 手続き: 変更届出書の提出
  • 手数料: 無料
  • 許可証: 書き換えは不要(現在の許可証をそのまま使用)。

多くのケースはこちら: ビジネス拡大のために「とりあえず扱える品目を増やしておきたい」という場合は、この手数料無料のパターンに該当します。

パターン②:メインの商材をガラリと変える(書換申請)

  • 内容: 許可証に記載されている「主として取り扱う古物の区分」自体を変更する場合。
    • 例:これまでは「書籍」がメインだったが、今後は「自動車」を専門に扱う店に変えたい。
  • 手続き: 書換申請書の提出
  • 手数料: 1,500円
  • 許可証: 新しい許可証が発行されます(古いものは返納)。

2. 品目追加の手続き期限と提出先

品目の追加や変更を行う場合、以下のルールを守って手続きを行います。

  • 提出期限: 変更があった日から14日以内
    • ※「変更があった日」とは、実際に新しい品目の取引を開始した日を指しますが、実務上は取り扱いを決めたら速やかに(取引開始前または直後に)提出することをお勧めします。
  • 提出先: 営業所を管轄する警察署(生活安全課)
  • 必要書類:
    • 変更届出書(または書換申請書)
    • 許可証の原本(書換申請の場合のみ)

3. 簡単に追加できない「特定の品目」

基本的には届出書一枚で完了する手続きですが、以下の品目を追加しようとする場合は、警察署から追加の確認や書類を求められることがあります。

① 自動車・自動二輪車(バイク)を追加する場合

最もハードルが高いのがこのケースです。自動車やバイクを扱うには、盗品防止だけでなく、保管場所の確保(車庫法)の要件をクリアしなければなりません。

  • 駐車場(保管場所)の証明: 営業所から2km以内の保管場所の契約書や図面の提出を求められます。
  • 詳細な事情聴取: 担当官から、営業方法についての詳細なヒアリングが行われます。

② 時計・宝飾品・美術品を追加する場合

これらは高額かつ換金性が高いため、盗品流通のリスクが高い品目です。

  • 真贋(しんがん)鑑定能力の確認: 「偽物や盗品を見抜く知識はあるか?」「どうやって検品するのか?」といった質問をされることがあります。

4. おすすめは「最初から多めに申請」または「プロへの依頼」

これから許可を取る方へ

もし、まだ許可申請前であれば、将来扱う可能性がある品目は最初の申請時でチェックを入れて申請しておくのがよいでしょう。後から追加する手間が省けます。

すでに許可をお持ちの方へ

「変更届なら無料だから自分でやろう」と考えがちですが、平日の日中に警察署へ行く時間的コストや、特に「自動車」などを追加する場合の複雑さを考えると、専門家への依頼が効率的です。
当事務所にご依頼いただければ、以下のメリットがあります。

  • 警察署への出頭不要: 忙しいあなたに代わって、変更届を提出します。
  • 要件確認の代行: 特に自動車を追加する場合の駐車場の要件確認など、不備が出ないよう事前にチェックします。
  • 期限管理: 「うっかり14日を過ぎてしまった」という場合も、適切な対応方法(始末書の作成など)をサポートします。

ビジネスの幅を広げるための手続きでつまずかないよう、変更手続きはぜひ当事務所にお任せください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
古物商許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
迅速・丁寧・確実な許認可サポート