警察の立ち入り検査(立入調査)が来た!何を確認される?【古物商として心得ておくべきこと】
古物商許可を取得し、営業を続けていると、管轄の警察署の担当官が「立ち入り検査(立入調査)」に来ることがあります。
これは、あなたが法律を遵守し、適正な古物取引を行っているかを定期的に確認するためのもので、古物商にとっては避けられない業務の一つです。
「立ち入り検査」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、これは決して悪いことをしているからではありません。しかし、準備が不十分だと行政指導や罰則の対象となるリスクがあります。
本記事では、警察の立ち入り検査で具体的に何を確認されるのか、そして慌てず対応するために日頃から準備しておくべきことを行政書士が解説します。
1. 立ち入り検査が行われるタイミングと目的
立ち入り検査は、主に以下のタイミングで実施されます。
① 許可申請後の確認(初回の実地調査)
許可申請から交付までの間に、申請した「営業所」が実態として存在するか、図面通りか、また管理者や事業者が本当にそこにいるかを確認するために行われます。
② 定期的な巡回・確認(抜き打ち検査)
許可取得後も、数年に一度、あるいは管轄の警察署の生活安全課の担当官が変わるタイミングなどで、抜き打ちで訪問されることがあります。
目的:法令遵守の確認
検査の最大の目的は、古物営業法で古物商に義務付けられている以下の3点が守られているかを確認することです。
- 本人確認義務(盗品を買い取っていないか)
- 古物台帳の記録義務(取引が正確に記録されているか)
- 標識・許可証の掲示義務(ルール通りに表示されているか)
2. 立ち入り検査で確認される5つのポイント
警察官が営業所に来た際に、確認を求めるのは以下の5点です。
ポイント①:古物台帳の提示と記載内容
最も厳しくチェックされるのが古物台帳です。
- 取引記録の正確性: 買い取ったすべての取引について、年月日、品目、相手方の情報(住所・氏名・職業・年齢)、確認方法、取引価格が漏れなく記載されているか。
- 本人確認の裏付け: 台帳に記載された本人確認方法(例:運転免許証の提示)が適切に行われたかを確認されます。
- デジタル管理の場合: エクセルなどで管理している場合、すぐに印刷して提示できるか、改ざん防止の対策が取られているかを確認されます。
ポイント②:営業所の標識(プレート)の掲示
- 義務の履行: 古物商の標識(青色のプレート)が、営業所の見やすい場所に規定の様式で掲示されているか。
- ECサイトの場合: 届出済みのECサイトに、古物商の氏名/名称、許可番号、公安委員会名が正しく記載されているか。
ポイント③:許可証の携帯と保管
- 携帯義務: 許可証(またはその写し)を営業所に保管しているか、行商(出張買取)を行う場合は、その写しを携帯しているか。
- 盗難対策: 許可証や古物台帳が適切に保管(鍵のかかる場所など)されているか。
ポイント④:在庫の保管状況
- 在庫の実態: 営業所に仕入れた古物(在庫)が適切に保管されているか。
- 盗品との関連: 仕入れたばかりの在庫について、台帳の記載内容と現物が一致しているかを確認されることがあります。
ポイント⑤:管理者や従業員の知識
- 法令理解度: 管理者(または申請者本人)が、古物営業法の基本的なルール(本人確認、台帳記録、盗品発見時の報告義務など)を理解しているか、簡単な質問を通じて確認されます。
3. 日頃から準備しておくべきこと(検査対策)
立ち入り検査で慌てないために、日頃から以下の3点を習慣化しておきましょう。
- 台帳は常に最新の状態に: 取引が発生したその日のうちに、遅滞なく台帳に記録を完了させてください。
- 標識・許可証は所定の位置に: 掲示義務のある標識と、保管義務のある許可証の保管場所を明確にしておきましょう。
- 管理者・従業員への教育: 従業員全員が、最低限の「本人確認の方法」や「盗品らしき古物を見つけた時の対応」を知っている状態にしておきましょう。
4. 立ち入り検査への対応は行政書士にご相談ください
立ち入り検査は、行政罰を受けるリスクがある一方で、日頃のコンプライアンスが評価される機会でもあります。
- 「台帳の書き方が正しいか不安」
- 「賃貸物件なので、警察の訪問が不安」
このような不安がある場合は、当事務所にご相談ください。
当事務所では、古物台帳の書き方指導、営業所への掲示物の作成指導など、立ち入り検査で指摘を受けないための「事前準備」を徹底的にサポートいたします。安心して事業に集中できる体制を構築しましょう。
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