略歴書の書き方は?空白期間や賞罰はどう書くべきか

古物商許可の申請に必要な書類の一つに、申請者本人および管理者の「略歴書(りゃくれきしょ)」があります。
略歴書は、単なる職務経歴書ではありません。申請者や管理者が過去5年間、どのような環境で生活し、職務に就いていたかを確認し、「欠格事由に該当しない人物か」を判断するために警察がチェックする重要な書類です。
特に「空白期間」や「賞罰」の記載については、警察官が質問するポイントとなるため、曖昧にせず、正直かつ正確に記載する必要があります。
本記事では、古物商許可申請における略歴書の正しい書き方と、記載に迷いがちなポイントを行政書士が解説します。


1. 略歴書に記載すべき基本項目と範囲

略歴書に記載が求められるのは、主に過去5年間の経歴です。

記載項目記載内容注意点
期間西暦で入社日・退職日を正確に記載過去5年間は途切れなく記載する(後述)
所属先・役職会社名、勤務先、または学校名などを記載「役職」は欠格事由に関わるため正確に
備考(賞罰)罰金以上の刑罰や、賞に関する記載該当がない場合は「賞罰なし」と明記する

2. 空白期間の対処法

過去5年間の略歴に「空白期間」があると、警察は「その期間に何をしていたのか」「欠格事由に該当するような活動をしていなかったか」を疑い、審査が停滞する大きな原因となります。

空白期間を発生させないための記述

略歴書は、職歴がない期間も必ず記載し、期間が途切れないようにしなければなりません。

期間の種類略歴書への具体的な記載例
離職期間「〇〇株式会社 退職後、△△業務に関する職業訓練の準備期間」
アルバイト期間「〇〇店にてアルバイト勤務」と具体的に記載
無職期間「病気療養のため自宅療養」「求職活動期間」などと具体的な理由を記載
主婦(主夫)「家事専念」と記載
学生期間「〇〇大学 〇〇学部 在学」と記載

【注意】 履歴書のように「〇〇年〇月〜現在に至る」といった書き方ではなく、申請日までの日付をすべて網羅して途切れがないように記載することが求められます。

3. 「賞罰」の正しい記載方法

略歴書には、欠格事由の確認のため、「罰」に関する記載が必要です。

記載すべき「罰」の範囲

古物商許可の欠格事由となるのは、「禁錮以上の刑」や「古物営業法違反による罰金刑」です。

  1. 禁錮以上の刑(懲役・禁錮など): 刑が終了してから5年が経過していない場合は欠格事由に該当するため、正確に記載しなければなりません。
  2. 古物営業法違反による罰金刑: 罰金刑の納付日から5年が経過していない場合は欠格事由に該当します。
  3. 交通違反による罰金(反則金ではない): 一般的なスピード違反等による「反則金」は記載不要ですが、拘禁刑または罰金が科せられた場合(例:無免許運転、飲酒運転など)は、その刑が終了してから5年が経過しているかを確認するため、記載が求められる場合があります。

【重要】 該当する罰則がない場合は、必ず「賞罰なし」または「該当事項なし」と明記してください。空欄にすると、警察は「何か隠しているのではないか」と疑念を抱きます。

「賞」の記載は任意

一般的な表彰や社内での受賞歴などは、必須ではありません。記載することで経歴の信用度を増すことも可能ですが、審査の本質は「罰」の有無にあるため、詳細に記載する必要はありません。

4. 略歴書作成の最大のポイント:正直と整合性

略歴書で最も重要なのは、「正直に」「他の公的書類と矛盾しない」ことです。

  • 正直さ: 過去の刑罰や欠格事由に関わる事実は、隠しても必ず警察の内部調査で判明します。虚偽の記載が判明した場合、許可は不許可となり、再申請時の信用も失います。
  • 整合性: 略歴書に記載した住所、期間、氏名などが、住民票や身分証明書、法人の登記事項証明書と完全に一致している必要があります。少しでも矛盾があると、警察は事実確認のために追加の書類提出や面談を求めてきます。

5. 略歴書の作成は行政書士のチェックが不可欠

略歴書は、書類作成の中でも専門的な知識を要する部分です。申請者にとって何気ない空白期間の記述が、警察にとって大きな疑念となり、審査期間が長期化する原因となり得ます。
当事務所にご依頼いただければ、お客様の経歴を詳しくヒアリングし、警察が納得できる表現で略歴書を作成します。特に過去の経歴に複雑な部分がある場合は、警察への事前協議まで含めてサポートし、安全かつスムーズな許可取得を目指します。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
古物商許可専門の行政書士
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