「古物市場」に参加するには?「古物市場主」許可との違いを解説

リサイクルショップやせどり事業を営む中で、「もっと安く仕入れたい」「大量の商品を一度に確保したい」という悩みに直面することはありませんか?
その解決策となるのが、プロの古物商だけが参加できるクローズドなオークション会場、「古物市場(こぶついちば)」です。
しかし、古物市場に参加するためには、いくつかの条件と法的な許可が必要です。ここでよく混同されるのが、通常の「古物商許可」と「古物市場主許可」の違いです。
本記事では、プロの仕入れルートである古物市場への参加方法と、間違いやすい許可の種類の違いについて、行政書士が分かりやすく解説します。


1. 「古物市場」とは?一般のフリマとの違い

古物市場とは、古物商(プロの業者)同士が売買を行うためのオークション会場のことです。

  • 一般のフリーマーケット: 誰でも参加でき、一般消費者が不用品を売買する場。
  • 古物市場: 古物商許可を持つ業者のみが入場でき、プロ同士が在庫整理や仕入れのために売買する場。

古物市場では、一般相場よりも安い「業者卸価格」で取引されるため、利益率の高い商品を確保するための「秘密の仕入れルート」として機能しています。


2. 「古物商」と「古物市場主」の違い

「市場に参加したい」と考えたとき、どの許可を取ればよいのでしょうか? ここで2つの許可の違いを明確にしておきましょう。

① 古物商許可(通常の許可)

  • 対象者: 中古品を仕入れて販売する、一般的なリサイクル業者やせどり事業者。
  • 市場との関係: 古物市場に「参加者(買い手・売り手)」として入場するために必要。
  • 結論: 市場で仕入れをしたい方は、こちらの許可があればOKです。

② 古物市場主許可(特殊な許可)

  • 対象者: 古物市場そのものを「主催・運営」する人。
  • 市場との関係: 場所を提供し、オークションを進行させ、参加者から「入場料」や「歩合手数料(コミッション)」を受け取って収益を上げるビジネス。
  • 結論: 自分でオークション会場を開きたい人以外は、この許可は不要です。

まとめ: あなたが「安く仕入れたい」だけなら、取るべきは通常の「古物商許可」です。「古物市場主許可」を取る必要はありません。


3. 古物市場に参加するための3つのステップ

通常の「古物商許可」を取得しただけでは、すぐにすべての市場に入れるわけではありません。以下の手順を踏む必要があります。

ステップ①:古物商許可証の携帯

大前提として、古物商許可証(手帳型またはカード型)を持参しなければ、会場に入ることすらできません。無許可の一般人は立ち入り禁止です。

ステップ②:市場の選定と入会申し込み

古物市場は全国各地に開催されていますが、それぞれ取り扱うジャンル(ブランド品専門、道具類専門、自動車専門など)が異なります。 自分の商材に合った市場を見つけ、主催者(市場主)に入会を申し込みます。

ステップ③:入会金・参加費の支払い

多くの古物市場では、初回に「入会金(数万円程度)」、開催ごとに「参加費(数千円程度)」が必要です。これらを支払って初めて、競り(オークション)に参加する権利が得られます。


4. 古物市場に参加する3つのメリット

苦労して参加資格を得るだけの価値が、古物市場にはあります。

メリット①:圧倒的な安さ(利益率の向上)

市場価格の数分の一、時には数十分の一の価格で仕入れることができます。ここで仕入れてネットや店頭で売るだけで、大きな利益幅を確保できます。

メリット②:大量仕入れが可能

「トラック一杯分の家具」「段ボール数箱分の古本」といった単位で取引されることも多く、一度の参加で店舗の在庫を埋めることが可能です。

メリット③:同業者とのネットワーク

市場にはベテランの古物商が集まります。休憩時間などに情報交換を行うことで、業界のトレンドや相場観を養うことができ、時には先輩業者から商品を譲ってもらえる関係性が築けることもあります。


5. 古物市場への第一歩は「古物商許可」の取得から

古物市場は、ビジネスを大きく飛躍させる魅力的な場所ですが、そのパスポートとなるのが「古物商許可」です。
「どの市場に行けばいいか分からない」「許可を取ってすぐに市場に参加したい」という方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
当事務所では、古物商許可の取得代行はもちろん、お客様の取り扱い品目に合わせたおすすめの古物市場の情報提供や、市場でのマナーなどのアドバイスも行っております。
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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
古物商許可専門の行政書士
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