「古物台帳」の正しい書き方と保存期間!エクセル管理はOK?

古物商許可を取得し、営業を始めたら、古物営業法に基づき、すべての取引を記録した「古物台帳(こぶつだいちょう)」を作成・保存する義務が生じます。
この古物台帳の記録義務は、盗品の流通防止という古物商許可の目的を達成するために重要な義務の一つであり、怠ると古物営業法違反として罰則の対象となります。
「紙で管理しなければいけないのか?」「エクセルや専用ソフトでの管理は認められるのか?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、古物台帳の正しい書き方、必要な保存期間、そしてデジタル管理の可否について、行政書士が詳しく解説します。


1. 古物台帳はなぜ必要か?記録義務の基本

記録義務がある取引

古物台帳に記録が必要なのは、古物商が「買い取り」または「交換」によって古物を仕入れた(手に入れた)場合です。

  • 記録が必要な取引: 一般の個人や他の業者から古物を買い取った場合、あるいは交換した場合。
  • 記録が不要な取引: 古物を販売した時、または古物市場で仕入れた場合(古物市場側が記録義務を負うため)。

記録を怠った場合の罰則

古物台帳への記録を怠ったり、虚偽の記載をした場合、古物営業法違反となり、6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。


2. 古物台帳の正しい書き方と記載事項

古物台帳は、所定の様式(古物台帳様式)に従って記録します。記録すべき項目は、取引の種別(買取、交換など)によって異なりますが、以下の項目は共通して必須です。

必須記載事項記載内容目的
年月日買受けまたは交換を行った日付。いつ取引が行われたか。
古物の種類品目(衣類、道具類、美術品など)を具体的に記載。何を取引したか。
古物の特徴ブランド名、型番、色、製造番号など、特定できる特徴。盗品特定の手がかり。
数量取引した古物の数量。取引の規模。
取引価格買受けまたは交換の価格(無償の場合は0円と記載)。取引の対価。
相手方の住所・氏名買受けた相手方の住所、氏名(法人の場合は名称)。盗品であった場合の追跡。
相手方の職業・年齢買受けた相手方の職業と年齢。
確認方法相手方の本人確認に用いた書類(運転免許証、保険証など)の種類。本人確認義務の履行証明。

ポイント: 古物商が個人から古物を買い取る際は、台帳に記載する内容を確認するため、相手方の本人確認書類を提示させる義務があります。


3. エクセルやソフトによるデジタル管理はOK?

結論として、古物台帳のエクセルや専用ソフトによるデジタル管理は認められています。
ただし、紙媒体で管理する場合と同様に、以下の条件を厳守する必要があります。

① 即時に検索・閲覧できること

警察官が台帳の提示を求めた際、「すぐに」「正確に」必要な取引記録を検索し、画面または印刷物で閲覧できる状態にしておく必要があります。

② 誤りなく記録される仕組みであること

不正なデータ改ざんができないように、記録の削除や変更の履歴が残るようなシステム(例:専用の古物台帳ソフト)での管理が望ましいとされます。エクセルで管理する場合も、パスワード設定などで不必要な改ざんを防ぐ工夫が必要です。

③ 印刷して提示できること

警察官から求められた場合は、台帳を即座に印刷して提示できる状態にしておかなければなりません。


4. 古物台帳の保存期間と注意点

古物台帳は、一度記録したらそれで終わりではありません。適切な期間、適切に保存する義務があります。

保存期間

古物台帳の記録は、取引が完了した日から3年間保存する義務があります。

  • 紙の台帳: 鍵のかかる場所に保管し、紛失しないように管理します。
  • デジタルデータ: パスワードで保護されたコンピューター内やクラウドに保存し、バックアップも適切に行う必要があります。

営業所廃止時の対応

古物営業を廃止した場合でも、廃止日から3年間は台帳を保存しなければなりません。


5. コンプライアンス徹底のために行政書士へ相談を

古物台帳の管理は、事業を合法的に継続していく上で基本的な作業ですが、取引が増えるにつれて記録漏れが発生しやすくなります。
当事務所では、古物商許可取得後のコンプライアンスサポートとして、以下のサービスを提供しています。

  • 古物台帳の様式提供と記入指導
  • 非対面取引における本人確認ルールの構築(ECサイト運営者向け)
  • デジタル管理体制の構築に関するアドバイス

「知らなかった」では済まされないのが、古物営業法の罰則です。 安心して事業に専念できるよう、記録義務の仕組み構築は専門家にお任せください。

お気軽にお問い合わせください。070-8490-7268受付時間 8:00-20:00 [ 土日祝日も対応 ]

お問い合わせ LINEや問い合わせフォームは24時間受付中です。

この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
古物商許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
迅速・丁寧・確実な許認可サポート