「誓約書」の内容とは?管理者用と申請者用の違い

古物商許可申請において、「誓約書(せいやくしょ)」は、申請者本人(個人または法人)および営業所の管理者全員が、古物営業法の法令を遵守し、欠格事由に該当しないことを誓う書類です。
この書類は、申請者側で作成し、警察に提出する公的な約束事となります。
誓約書は、申請者用管理者用の2種類があり、それぞれ誓約する内容が異なります。


1. 誓約書の目的と基本的な内容

誓約書は、申請者が古物営業を営む者として、法律を守り、社会的な責任を果たすことを確約するために提出します。

目的:欠格事由への非該当と法令遵守の宣誓

誓約書で主に誓う内容は、以下の2点です。

  1. 欠格事由に非該当であること: 過去の犯罪歴や破産手続きなど、古物商許可が取れない条件(欠格事由)に現時点で一つも該当していないことを誓います。
  2. 法令遵守の誓約: 古物営業法で定められた「本人確認義務」や「古物台帳の記録義務」などの古物商の義務を理解し、これを厳守して営業を行うことを誓います。

2. 申請者用と管理者用の誓約書の違い

古物商許可の申請では、「申請者(個人事業主または法人)」と、「営業所の管理者」の両方が誓約書を提出する必要があります。両者の違いは、その責任の範囲にあります。

違い① 申請者用の誓約書

申請者用は、古物営業を営む主体としての誓約です。

誓約する主体誓約内容提出が必要な人
申請者本人(個人)古物営業の経営主体として、自身が欠格事由に非該当であり、事業全体で法令を遵守することを誓う。個人事業主本人
法人全役員が欠格事由に非該当であり、法人全体で古物営業法の義務を履行することを誓う。法人の全役員(取締役など)

違い② 管理者用の誓約書

管理者用は、現場の責任者としての誓約です。

誓約する主体誓約内容提出が必要な人
管理者営業所という特定の場所における古物取引の実務管理責任者として、自身が欠格事由に非該当であり、現場の法令遵守を徹底させることを誓う。営業所ごとに選任された管理者

ポイント: 申請者本人が管理者も兼任する場合(個人事業主で自宅を営業所にする場合など)は、申請者用と管理者用の両方の誓約書を提出する必要があります。


3. 誓約書作成における注意点

注意点① 虚偽の記載は厳禁

誓約書の内容に虚偽があった場合(例:欠格事由に該当する事実を隠した場合)、警察の内部調査によって必ず判明します。虚偽の申請は、不許可となるだけでなく、今後の申請においても信用を失う原因となります。

注意点② 全員分の提出が必要

法人の場合、代表取締役を含む全役員と、全営業所の管理者の誓約書が必要です。一人でも欠けていると、申請は受理されません。

注意点③ 申請時の形式に合わせる

誓約書は、都道府県の公安委員会によって規定の書式(様式)が定められていることがほとんどです。必ず、申請先の警察署から最新の様式を入手し、これに従って正確に作成・署名押印してください。


4. 誓約書と他の書類との関係

誓約書は、他の公的書類の裏付けをもって、その信頼性が担保されます。

関連書類誓約書との関係
身分証明書欠格事由に非該当であるという誓約(内容の①)を裏付けるための公的書類。
略歴書過去5年間の経歴に虚偽や欠格事由に関わる事実がないかを確認し、誓約の信憑性を高める。
住民票誓約書に記載された住所・氏名が公的な記録と一致しているかを確認する。

誓約書は、単に署名押印するだけでなく、記載されている法令上の義務と責任を理解した上で行うべきものです。
不安がある場合は、行政書士にご依頼いただければ、欠格事由の事前チェックと、法令遵守体制の構築に関するアドバイスまで含めてサポートいたします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
古物商許可専門の行政書士
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