古物商許可の「要件」を徹底解説!誰でも取れる?欠格事由をチェック

中古品の売買ビジネス(古物営業)を始めるにあたり、必ず必要となるのが「古物商許可」です。
しかし、「申請すれば誰でも簡単に取れるのだろうか?」「過去の経歴や現状の事業形態が問題にならないか?」といった不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
残念ながら、古物商許可は誰でも無条件で取得できるわけではありません。古物営業法には、社会的な信用や適格性を担保するための「要件」が明確に定められており、これに一つでも該当すると許可は下りません。
本記事では、古物商許可を専門とする行政書士が、申請者が必ずクリアすべき「欠格事由(許可が取れない条件)」と、スムーズに許可を得るための「実質的な要件」を徹底的に解説します。

古物商許可が「取れない」絶対的な条件:欠格事由とは

古物営業法で定められた「欠格事由(けっかくじゆう)」は、申請者本人だけでなく、法人の場合は役員全員、そして営業所の管理者すべてに適用されます。一つでも該当すれば、問答無用で不許可となります。

【経歴・刑罰に関する欠格事由】

① 禁錮以上の刑に処せられ、又は特定の犯罪で罰金刑に処せられた者

  • 具体的な内容: 禁錮(懲役)以上の刑を終えてから5年を経過していない者。または、古物営業法違反、窃盗、背任、遺失物横領など、古物営業に関わる特定の犯罪で罰金刑を言い渡されてから5年を経過していない者。
  • ポイント: 軽微な交通違反による罰金刑は原則として問題ありませんが、前歴がある場合は必ず行政書士にご相談ください。

② 過去に古物商許可を取り消されてから5年を経過していない者

  • 具体的な内容: 過去に不正や法令違反により古物商許可を取り消された場合、その日から5年間は再申請できません。

【心身・経済状況に関する欠格事由】

③ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

  • 具体的な内容: 破産手続きが開始された後、免責(復権)が決定していない状態の者。
  • ポイント: 自己破産をしたとしても、裁判所から免責の決定を受けていれば(復権していれば)問題なく申請できます。

④ 成年被後見人または被保佐人

  • 具体的な内容: 精神上の障害により判断能力が十分ではないと家庭裁判所から判断され、後見または保佐を受けている者。
  • ポイント: 申請時に提出する「身分証明書」で確認されます。

【その他の欠格事由】

⑤ 暴力団員または暴力団員をやめてから5年を経過しない者

  • 具体的な内容: 警察が厳しくチェックする項目であり、過去の所属なども含めて審査されます。

⑥ 住居が定まらない者

  • 具体的な内容: 住民登録をしていないなど、生活の拠点がない者。

許可を得るためにクリアすべき「実質的な要件」

欠格事由に該当しなくても、事業を行うための体制が整っていなければ許可は下りません。以下の「実質的な要件」も重要です。

営業所の設置と適格性

古物営業を行うには、事業の拠点となる「営業所」が必要です。

  • 場所の適格性: 営業所が、古物営業を行うのに適した場所であること(風営法で規制される地域でないことなど)。
  • 自宅兼営業所の場合の注意点:
    • 賃貸物件: トラブルを避けるために、大家さんや管理会社の了承を得ておきましょう。
    • 図面の作成: 居住スペースと事業スペース(事務机、PCなど)を区別した見取り図の提出が必要な場合があります。

古物営業を統括する「管理者」の選任

古物商許可の申請には、「管理者」を一人選任し、届け出ることが義務付けられています。

  • 管理者の役割: 営業所ごとの古物取引の適正な実施を確保するための責任者です。盗品対策や帳簿管理を徹底させる役割を担います。
  • 要件:
    • 申請者本人でも、別の従業員でも構いません。
    • 常勤できること:その営業所に常駐し、適切な管理業務を行える者でなければなりません。遠方の営業所の管理者や、他の営業所の管理者との兼任は原則認められません。
    • 管理者は欠格事由に該当しないこと:管理者も申請者と同様に、欠格事由に該当しないことが必要です。

まとめ

欠格事由に該当すると、申請をしても受理されなかったり、受理されても不許可になっていまいます。
申請時に払った法定手数料19,000円は、不許可になった場合でも一切返金されません
書類作成前に欠格事由に該当していないかよく確認するようにしましょう。

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